ただ完璧に吹くだけじゃない「プラスアルファ」の奏法
こんにちは!
上手な生徒さんを教えさせていただいていると、
本当に驚くほどの早さで難しい曲をスラスラ演奏できるように仕上げて来られます。
速くて細かいアドリブアレンジのフレーズすらもパラパラと難なく吹かれます。
よく練習されていて本当に感心です!
ただ、
そこからさらに、「上級者」と言える壁をハッキリと乗り越えるために最も重要なのは、
やはり「ビブラート」です!
ハーモニカに歌わせるための最大の武器ですね。
難しい曲を完璧になぞって吹ける生徒さんでも、無意識に随所に綺麗なビブラートがかけられる方は少ないです。
ビブラートが弱かったり、全音符以外にかける余裕が無かったり、と
もっと全体を歌わせる余地がまだまだあります。
その為に必要な練習ですが、ビブラートをかけるためにはまず音程を下げる「ベンド」が大切です。
ベンドを目で見て分かりやすいiPhoneアプリの「Pano Tuner」を以前お伝えしましたが、(←クリックでリンク)
ああいったものを使って、まずはベンドの練習からやってみましょう!
例えば「6のミ」を普通に正確な音程で吹いてみて、その音を「ミーーーーー」と伸ばす。
Pano Tunerで言えば「E」のメーター上に緑のマークが表示されます。
ずーーっと伸ばしながら、徐々に口の形を「シュorヒュ」に移行し、ベンドで音程を下げる。
これはチューナーを見ながら徐々に下がっているのを目で見て確認します。
そして音程が綺麗に半音ほど下がるようになれば、その下がったところでキープします。
例えば「ミ(=E)」を下げるのであれば、「レ♯(=E♭)」まで下げてそこでキープです。
音を聴きながら伸ばしながら、「ぎゅーーーーん」と下げつつ音が途切れないよう我慢して、我慢して、
今度は徐々にゆっくりと口の形を「シュorヒュ」から普通の吹き方の「フー」に戻し、音を正確な方に開放していきます。
そして最終的に正しいピッチ、音程の「ミ(=E)」まで戻ってくれば、また下げる。その繰り返しです!
それが出来るようになれば、その上げ下げをメトロノーム90くらいの速さに合わせて行えるようにしていき、
次にそのメトロノームの1拍に対して2回、1拍に対して3回、1拍に対して4回!という風に上げ下げを速くしていくと、
それがもうベンドビブラートの完成です!
そこに音量の変化も加えて、
複合立体ビブラートを身につけましょう!
ビブラートをかけれている人でも、どちらかと言えば遠慮がちな人が多いので、
しっかりと曲の中で、「かけすぎ、やりすぎ」なくらいでかけてあげると、
聴いている周りからすれば丁度いいです!ぜひぜひ感情表現を音に出していきましょう!
それでは今日の曲ですが、少し前に話題になった映画版ドラえもん、
「STAND BY ME ドラえもん」、その主題歌の「ひまわりの約束」です!
歌っているのは秦基博さんという方で、本当に素敵な声の持ち主です。
演奏を聴いて興味の出た方は、ぜひ原曲も聴いて欲しいです。
(原曲リンク↑)
曲の冒頭の
「どうして君が泣くの まだ僕も泣いていないのに」
という歌詞、そして秦基博さんの美しい声に鳥肌が立ちます。
この冒頭を聴くだけで、
「優しくて温かい歌だけど、それでいて別れの曲でもあるんだろうな」というのが、
たった1フレーズで伝わる恐ろしい感情表現の歌声です。
見習って勉強して、僕もクロマチックハーモニカでこんな感情のこもった音を出せるようになりたいです。
それではどうぞ、「ひまわりの約束」です!