「フー」や「ホー」や「ヒュー」や「ホアー」や【口内の形】の極意
こんにちは!
先日の第44回徳永ハーモニカ教室発表会にお越しいただいた皆様、
また、ご出演された皆様、本当にありがとうございました!
出場が57組(欠席を除き54組)、
さらにご見学が70名以上という事で、バンドメンバーや父などスタッフの方を含め、
130名以上の超満員状態でした!
その模様は近日中に、父の方のYoutubeにアップされるかと思いますが、
皆さん熱気に溢れた凄まじい演奏でした。
大ベテランの方々は相変わらずとんでもない演奏技術でしたが、それを流石の貫録としても、
初出場の方や、「ハーモニカを始めてまだ1年くらいです」、といったルーキーの方が圧巻の演奏をされた時にこそ、
観客の皆さんが大きく「ざわざわ」と、文字通りどよめくのが印象的でした。
僕も今よりもっと吹き初めの頃は、
吹いた後に「ハーモニカを始めて〇カ月です」と喋って、皆さんが驚いてくれるのが嬉しかったのですが、
もう立派に2年半くらいになってしまったのでそれも言えず。悲しい。
正々堂々、実力でなんとかしないといけません。
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そこで!今回の発表会は二つ挑戦を打ち立てていました。
その1つは、僕は普段コンテスト系に出ないこともあって、
超難易度の曲などを好んで吹かないのですが、
それだと「あいつは吹けない」と思われてしまうのも寂しいので、
僕の我が儘で、クロマチックハーモニカ界のスター、山下伶さん(HPリンク)を、デュオでお誘いして、
「熊蜂の飛行」という典型的な超絶技巧の、スーパー難曲に挑戦しました!
そしてもう1つは更なる冒険でしたが、
去年から、家で地道に少しずつ勉強していたのをそろそろ人前でも披露、という事で、
せっかくの生バンド、ついに「初の、ステージでのアドリブ演奏」に挑戦いたしました!
1つ目の「熊蜂の飛行」に関してはミスも多々ありましたが、
大阪と東京で、遠方の伶さんと、毎度の「当日ぶっつけ初合わせ」という事で、
これはまあ多少お許しいただいて・・。
(次回、3月18日の東京校発表会までに二人の宿題になりました。)
2つ目の「アドリブ演奏」に関しては、
思っていたよりも楽しく、上手く吹けて、
結果的に皆さんに驚いていただき、僕としては非常に満足した結果でした。
最後の最後の、エンディングアドリブ以外は・・・!!!
当たり前ですが、本当になんのメモも、引き出しも、計画も、
ひとつも用意せずに、完全なるその場当たりで吹いている状態で、
しかもそれがなまじ良い感じに上手く吹けて、感情も乗ってきてしまい、
最後の最後で「あ、最後これ吹こう!」と初めて引き出しっぽいものが浮かび、
少し難しめのフレーズを吹いて、「ドヤ!!!」と終えようとしたら、
そこに限って、大きく逸脱した音を右往左往して、パニックで終局。
背伸びせず、ずっと感情そのままに吹けばよかった・・・。
と。
後で動画で見直すと、そんなに大事故では無かったのですが、
その時はショックすぎて、
「胃腸と、なんかその周辺の五臓六腑が千切れたんちゃうかこれは」というくらい痛み出して、
出番終了後、30分程、
客席後方で寝込みました。
でも、それでこそ、アドリブの醍醐味。
そんな演奏でも、聴いて感動して泣いていただけたり、
僕がド素人だった頃からリアルタイムで見てきたからこそ、と、
「私もアドリブ勉強を頑張ろうと勇気をもらえた!」と仰っていただけたり。
その場の気持ちをありったけ吹いて、本当に良かったなあと思いました。
確かに僕も観ている側としては、
どこか「ま、まあ自分よりベテランの方なら上手くて当たり前」と言い訳してしまう部分もありますが、
自分よりキャリアの短い方や、大人になってから音楽を始めたという方が、
上手に吹かれる時こそ、めちゃくちゃ勇気と、良い刺激の焦りをもらいます。
その点で僕も、24歳から音楽を始めた音楽講師というのは大変珍しく、
どうせならこれも長所だと思っているので、
同じクロマチックハーモニカ奏者として、
「あいつくらい練習すればあれくらい出来るんやな!よーし!」という良い刺激を広めていきたいです!
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ではでは。
長くなってしまったので、今日の1ポイントレッスンは簡潔に。
手前味噌ですが、
僕は自分の演奏を、自分の生徒さんや、いわゆる兄弟弟子の方々など、
つまりクロマチックハーモニカを吹いている方に聴いてもらった後に、
「一音一音を大事に吹いているのが良い」と褒めて頂ける事がなぜか多いです。
なるほど考えてみると、確かに一音ごとに意味を持たせて吹く事は、とても心がけています。
その点を気づいていただけるというのは、大変嬉しいです。
(間違えないように一音一音を恐る恐る吹いているから、かもしれないですが・・。)
一音に対して、様々な技術を詰め込んでいくという点では、
いつも言っているベンドやビブラートなどもそうなのですが、
実は、
口内の空気の形にも、常に気を配り、
それが「フー」だったり、「ホアー」だったり、
送りだす空気の、または、吸い込む空気の、その形が、
大きい・小さい、硬い・柔らかい、太い・細い、広い・狭い、遠い・近い、・・・など。
微妙な空間を考えて、常に千変万化させながら、空気を吹いたり吸ったりしています。
ハーモニカは身体との距離が最も近い楽器。
そういった身体的な角度を少しクイっと変えるだけでも、
音色が変化していき、画一的では無い音を出す事が出来ます!
例えば、
「ここはあえて少し細めに硬くヒューっと空気を吹いて、一音だけ、少し自信満々気味に!」
「ここの一連の流れは温かい感じで歌いたいから、空気をホワーっとふんわりと柔らかくて広い感じに吹く!」
と、イメージして演奏しています。
クラシックや楽典に精通している方だと、これらをカタカナの音楽用語で表したり、
そもそもこの辺の感情表現まで、全てが譜面に指示されているのかもしれません。
ただ、
せっかく「歌う楽器」のクロマチックハーモニカを吹いていて、
ジャズやポップスの、解釈自由な音楽を演奏されるのであれば、
その辺の、機微な表情の付け方を意識し、自分の感情を自由に音に乗せると良いです!
例えば、
AさんとBさんが、同じ楽器で、同じ楽譜の音を吹いていて、
お互い別にビブラートやベンドが無くとも、
片方がすごく温かく聴こえたりするのは、まずは、その人の人柄が出ているのが一番です。
が、
それをあえてテクニック的に分析するのであれば、
「変化させていく口内の形」は大きな要素だと僕は感じます。
これは決してアバウトな観念的なことではなく、
口内の空気の形の変化によって、
または、そうしようとする力加減や気遣いによって、
目に見えない程度の、
だけれども、
明らかに大きな違いを聴かせられるほどの、
音程の味わいの変化や、音量の温もりの変化が、演奏に出てきます!
ご興味のある方は、お試しあれ!!
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それでは、今日アップするのはシンプルなメロディーの曲だからこそ、
そういった「音の出し方」にも注意して吹いていると言える、
backnumberで「青い春」です!
(原曲動画↑)
こちらもいつも通り、若者に大人気のバンドです。
またもや僕は、彼らが、今の様に売れてしまう何年も前から応援していたので、
「趣味:音楽鑑賞」としては、ここぞのドヤ顔なのですが、
でも実際売れるかどうかは心配していた所もありました。
というのも、CD屋で発掘し、音源しか未だ知らない頃、
その悲しげに響く美声と、どの曲もキャッチーで心を掴むメロディー、
そして、情けない男性の心情をありのまま代弁する歌詞の繊細さに、
「こんな歌詞を書き、歌える人は、なんと中性的で美しい感性の持ち主だ!」
「ジャニーズ系ともまた違う、色の薄い、線の細い、さぞ美男子に違いない!」
などど思っていた僕と、全国の耳の速いリスナー達でしたが、
後々ボーカルの清水さんご本人がメディアに登場すると、
全然薄くない!!!!むしろだいぶ濃い!!!!
僕が言うのもなんですが、
まさかヒゲ面の、野性的なタイプだったことに驚き、
僕としては、同姓として憧れる、とても男らしい感じで良いのですが、
でもメインターゲットの事を考えると、
「若い子に受けそうな素敵な歌詞と美声やのになあ・・・」
「年頃の女の子はシュッとした外見が10割やからなあ・・売れへんかなあ・・・」
と諦観していたところ、あれよあれよ。
ヒゲ面による、ヒゲ面への心配はどこ吹く風。
実力で劣勢を跳ねのけて、(めっちゃ失礼)
今やONE OK ROCKや、Suchmos等と並んで、若者に最も人気のバンドの一つでしょう。
(有名な別曲、動画↑)
そんなbacknumberの曲はほとんどが、↑のように「失恋、恋愛、片想い」の曲で占められていますが、
今回の曲は珍しく、その名の通り、
テーマは「青春」についての、淡い葛藤や焦燥を歌っています。
ではどうぞ、backnumberの「青い春」です!!