聴いている方には【音の跳躍】の苦労を伝えない!
こんにちは!
先日の3月9日、兵庫県三田、郷の音ホールでの親子ライブにお越しいただいた皆様、
またスタッフの方々、ピアノの多田恵美子さん、
大変ありがとうございました!
(ピアノ多田恵美子さんとのリハーサル風景)
会場は満員、当日お越しいただいた方は入れない人もいたということで、ご迷惑をおかけしてすみません。
ただ、ライブは大盛況、そこから僕の教室へのお問い合わせなどもいただき、
とても楽しいステージでした!ありがとうございました!
そして今週末、3月18日(土)は徳永ハーモニカ教室、東京校の発表会です!
会場:東京都千代田区岩本町2-7-4 モリダイラ楽器 B1F 「M's Space」
僕と父も大阪から応援と演奏に伺いますので、
東京校の生徒の皆様、またご見学だけでもお越し頂ける皆様、
どうぞよろしくお願い致します!
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それでは今日の1ポイントレッスンのテーマですが、
楽器を吹いていて苦労するポイント、「音の跳躍」についてです!
クロマチックハーモニカは唇で横に移動して音を鳴らす楽器で、
並びも音階通りなので、単純に「音譜が離れているほど、吹く穴も遠い」ということになります。
そうすると、例えば「ドからレ」は5番穴を吹いてから、次に同じ5番穴を吸うだけ。
「レからミ」は5番穴を吸ってから、隣に移動して、6番穴を吹くだけ。
という「同じ穴か、隣の穴」くらいまではスムーズに音を紡ぐことが出来ます。
しかし、例えば「ドからシ」になると5番穴を吹いてから、3つ穴を跳んで、8番穴を吸う、
という文字通り「跳躍」が必要となります。
これが思いのほかに曲者で、「音が遠いから移動距離を間違えやすい」というだけでなく、
他にもこいつには、実際やってみると厄介な事があるのです。
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例えばすべて八分音符で、
「ド、レ、ミ、ラ=5、⑤、6、③」というフレーズがあったとします。
この時に「ド、レ、ミ」まではとても楽な音の移動です。なぜなら同じ穴と、隣の穴です。
しかし、次の「ミからラ」に降りる時に、いきなり穴3つ分の跳躍が必要となりますね。
ここが厄介なポイントです。
でも、ここで僕が言いたいのは「3つ穴を移動するのって難しいよねー」という単純な事ではありません。
さっきまでの「ド、レ、ミ」がとても楽な音の移動で、
なまじスムーズに音を繋げて吹けてきたからこそ、
「6のミ⇒③のラ」に降りる時に、
「3つ穴を跳ぶのに、さっきまでの跳ばない時と同じように吹くのが難しいよねー」
という事なのです!
曲のメロディーは常に動いているので、その中には、
移動をせずに吹ける音があれば、3つも4つも移動しないといけない音もあります。
今回の例で言えば、同じ八分音符なのに。
という事は移動時間は同じなのに、距離は3倍や4倍。
ここを平等にレガートに、粒を揃えて、というのが非常に難しい。
つまり、歌うような演奏をするには、ここが肝心で、
「音が跳ぼうが、跳ぶまいが、聴いている人にその苦労は伝えてはいけない」
という事なのです!
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この「音の跳躍時のスムーズさ」、
もしくは「え、私ぜんぜん楽勝ですけど的な顔」を意識するだけで、
「歌うように繋がる演奏」がとても近づきます。
その為には、
①急ぐとは言え、ちゃんとギリギリまで前の音を綺麗に鳴らす
②移動を限りなく素早く、正確に行う
これには右手首でクイっと動かすハーモニカの持ち方が必須になります。
例えば上の譜面は「赤とんぼ」のメロディーですが、
「ゆうやけこやけの、あかとんぼー」の「あ↓か」、
これはクロマチックハーモニカで言えば、
「⑤レ→②ファ」です。
顔を動かしてハーモニカを演奏している人は、
こうして穴が3つ跳ぶ時などに、どうしても音が区切れるか、伸びてしまい、そこに違和が生まれます。
しかし手首でクイっとハーモニカを動かせている人は、こういう所がとても滑らかで、
音と音との間に空白がなく、歌うように繋がっていく演奏が出来ています。
「そうなんです、音の跳躍が苦手だったんです」という方や、
「なるほど、そういう事だったのか」と思っていただいた方は、
音の跳躍時に、自分がどのような動きを要しているかを確認してみましょう!
顔でぎこちなく動いてしまってはいませんか?
2つ、3つ、4つの音が跳ぶときにも、
「まるで穴を移動なんてしていないように繋がって聴こえる!」
と思わせる演奏が出来れば、これはもう立派な「歌うクロマチックハーモニカの演奏家」です!
と、偉そうなことを言いながら、僕は3つ跳ぶときなどはドキドキしてますよ。
うわー、こういうのやめろよー、ご勘弁をー、と思っていますよ。
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それではレッスンは以上で、今日の演奏の方に行かせてもらいます!
この曲はなんだか本当に、最近怒涛のブームがすごくて、売れまくり。
「若者に大人気」、「なんか聴いていたらお洒落な気分になる」と話題。
バンドはSuchmos、曲は「STAY TUNE」です!
(↑原曲動画)
たしかデビューが2014年とかなので、あっというまに売れたのですが、
まだそこまで注目されていない時から「なんだこの圧倒的、お洒落感は・・」と巷がざわざわ、
日本に再来したシティポップブームを、ceroやAwesome City Clubらと牽引してきました。
が、彼らの音楽をそもそも支持していたファン層は、
「私はメジャーで売れているバンドは聴いてません、少しマイナーなお洒落な音楽を聴きます。」
という人が良くも悪くも多く、
にも関わらず、只今こうも爆発的に売れてしまっては、
いわゆるミーハー的人気も出てしまい、あれよ中高生にも大人気。
従来のファン、困惑。
となると今度は、これまでそうして「お洒落だから聴いてきた層」が離れてしまうという、
商品として構造的な矛盾が生じてしまっています。
お洒落だから聴いて、流行ってしまったら、ミーハーと一緒にされたくないから聴かない。
それならばもう音楽を聴いているのではなく、
「こういう音楽が好きな私」の為のアクセサリー感覚であり、
こうなると果たして一体ミーハーはどちらなのであろうか、と、
なんだか、「商業としての音楽とは」をSuchmosに考えさせられてしまう大阪在住20代男性な私です。
爆発的に流行るというのも、考え物ですね。
という僕も「せっかくお洒落なのに今や大人気すぎる」ところに微かに躊躇いを覚えながらも、
「とは言え鳴らしている音楽は今なおとても格好良い」という事は確かです。
だってもう、なんですか、このアシッドジャズ直結のスペーシーな浮遊感は。ふわんふわんです。
あと、音や歌詞や振る舞いに照れが無い。お洒落という舞台で戦う事に迷いが無い。
そんなSuchmosのカリスマ、vo.ヨンスくんのトレードマークはアディダスジャージ。
これがお洒落なのになんかラフで硬派で、とても格好良いです。
というわけで、ミーハー真っ盛りの私は恥も外聞もなく、取り入れてみました。
Suchmosで、「STAY TUNE」です、どうぞよろしくお願い致します!アディダス!