人工知能には負けない、【テンポの揺らぎ】が情感を伝える!
こんにちは!
まずは前回のブログでお伝えした「神戸三宮教室」の件ですが、
早速ご希望のご連絡いただきまして、
残りあと2名となります!
ちなみに現在、教室の場所としては、
「レンタルスペースYu-Ra」さん (HPはこちら)
(赤いピンの刺さった所、三宮駅から市役所側、ジョーシンや花時計前駅のすぐ近くです)
こちらで考えております!
Yu-Raさんには教室の件を前もってご連絡し、
快くOKとの事でしたので、
今月見学に行かせてもらいますが、
問題なければこちらをお借りしてレッスンをさせていただきます!
各線 三宮駅より徒歩3分、
三宮・花時計前駅からは徒歩1分、
という抜群の好立地です!
3階が教室の予定ですが、エレベーターもございます!
というわけで引き続き、
神戸・三宮方面の方でレッスンにご興味のある方は、
どうぞよろしくお願い致します!
(お友達とかにも宣伝してあげてください!)
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◆ クロマチックハーモニカ完全個人レッスン ~神戸三宮教室~ ◆
曜日:毎月 第2・4 金曜日
時間:14時~15時、15時~16時、16~17時の3枠募集
場所:神戸三宮レンタルスペースYu-Ra(仮)
〒651-0086 兵庫県神戸市中央区磯上通8-1-29 2階・3階
料金:月1回5500円、月2回10000円
その他:初心者・未経験の方、大歓迎です!ペアレッスン、ミニグループレッスンも可能です!なんでもお気軽にご質問ください!
お問い合わせ:080-1452-0210 or u.harmonica@gmail.com (徳永有生)
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では、本日のブログのワンポイントレッスンは、
「テンポの揺らぎが情感を伝える!」
についてです。
ただ今、世界では科学の発展が飛躍的に進み続け、
ついには将棋や囲碁のプロが、
人工知能に勝てなくなってしまった、
というニュースをよくテレビで観ます。
でもこれに関して、僕としてはいつも、
「機械にプロが負けたからと言って、だからなんやねん」
「そんな事を言ったらボルトより原付バイクの方が速いし、
白鵬もダンプカーとぶつかったらおそらく負けるぞ」
「人間が、人間離れしたことをやっている、
その努力と技にこっちは感動しとるんや!」
と思います。でも決してこんなに口は悪くないです。
これは音楽の世界では顕著で、
人間よりも機械の打ち込みの方が100%確実で、
どんな速さでも一つのミスすらありません。
歌手の米津玄師さんは、音楽をDTMの打ち込みで作った際に、
「音楽理論をちゃんと知らないから、打ち込んだドラムの部分が、
実際だと腕が3本無いと叩けなかったりする」
みたいなことを何かのインタビューで言っていました。(うろ覚え)
それでも未だに、
音楽は人間が演奏することに明らかに意味がありますし、
ライブで聴く生演奏というのは言葉では説明できない感動があります。
今日はそんなテーマですが、
という、生徒さんに教えてもらった本に、とても良い事が書いてありました。
少し長いですが、素晴らしいので、
著作権に怒られないようルールの範囲で、下記にお借りします。
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レヴィティン教授らはまず、
ショパンのいくつかのノクターンをプロのピアニストに演奏してもらい、録音を行いました。
(中略)その違い、すなわち、テンポや音量のゆらぎを100として、
コンピュータ上で量を減らす特殊な加工をしました。
そして、まったく楽譜どおりの機械的な演奏(ゆらぎが0)から、25、50、75、
そしてピアニストが弾いたとおりのゆらぎがある演奏(100)まで、
ゆらぎの程度の違う演奏を5つ用意して、
プロの音楽家から音楽家でない人までたくさんの人に聴かせ、
「どのくらい情感豊かな音楽に聴こえるか」、点数をつけてもらいました。
こうすることで、ピアニストが、テンポや音量を楽譜とはわずかに変化させることで、
聴き手の感情がどう変わるのかを知ろうとしたのです。
その結果、ゆらぎの量が減るにつれて、聴き手は、
演奏の情感が乏しく、機械的だと感じることがわかりました。
つまり、
ピアニストが演奏に込めた表現は、
決して独りよがりなものでも無意味でもなく、
聴き手の心にちゃんと届いているのです。
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ほら、めっちゃ良い話じゃないでしょうか。
なんかもう涙ですよ、人間の音楽家として。
要するに、
「リズムと音量が完璧になればなるほど、聴いている方は退屈に聴こえた」
ということです。
いつも僕は生徒さんに、
「レッスンをやっている以上、そして、横で講師として聴いている以上、
譜面通りじゃないリズムで吹いている所があると、
どうしても一応ああだこうだと訂正はするけれども、
本当はもっと自由に解釈して、テキトーに吹いて良いですからね!」
とお話しています。
譜面通りでない、機械的でない吹き方、
それはポップスやジャズという音楽ではなおさら、
音の強弱や、雰囲気の部分は、演奏家のほぼ完全な自由です。
一番思うのは、
「その音、大事やから目立って聴かせたら格好良いですよ!」
「もっとリズムはナルシスト的に溜めたり、過剰に焦らしたりしましょう!」
とかです。
音量と、リズムによる、人間味。
本来これは言葉や数値で説明しづらい、センスや感情の部分なのですが、
前述の「科学的に音楽家を解剖するよ」という硬めのスタンスの本が、
統計的にしっかりデータで証明してくださっていたので、
ここに共有させていただきました!
皆さんも自信を持って、
ミスした音や、走ってしまうテンポは愛嬌、
人間味に溢れた音で、感動を届けていきましょう!
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それでは本日の曲は、
リズムの揺らいでる部分が参考になればいいのですが、
宇多田ヒカルさんの「First Love」です!
(↑原曲動画)
宇多田ヒカルさんは、
同業の方からも絶賛される歌唱力をお持ちですが、
それはいわゆる、
「圧巻の声量!正確な音程!」だとか、
「驚異の音域!何オクターブの美声!」だとか、
というタイプではなく、
「独特のグルーヴのリズム感!」
という部分をとても高く評価されています。
特にデビュー当時、
15歳で突如アメリカから現れた少女が、
向こうの現行R&Bの感覚を、
リアルタイムでJ-POPに消化してしまったのですから、
その衝撃は相当だったでしょう。
各著名人の絶賛っぷりも宇多田さんの凄さを引き立たせています。
例えば当時の年収20億円と言われる、
90年代J-POPの帝王、小室哲哉さんは、
宇多田さんのデビュー作「Automatic」について、
「すごい難しいグルーヴ感。ヒカルちゃんが僕を終わらせたって感じですね」
「詞のはめ方。ラジオの時のしゃべり方。何から何まで自由で。いいなあ、うらやましいなっていう」
「この業界に入ってこれほどのやられた感はない」
などなどと、
宇多田ヒカルさんの登場で自分の時代は終わった、
という旨のことをよく話しています。
同じく、
歌謡曲評論家でミュージシャンの近田春夫さんは、
1999年時点、彼女のデビュー当時ですでに、
「宇多田ヒカルはあっという間にすごいことになってしまった。
何がすごいかって、彼女の出現で、
ちょっと前まで勢いのあった人達がみな色褪せて見えてしまうのだ」
とこちらも同じようなコメントをしています。
15歳が同業の大御所らにここまで言わせる、
それほどまでに「いきなり凄いことをした」のですね。
あと僕としてはいつも言っていますが、
宇多田さん独特の、
伝わりやすいのに、どこか謎めいて、
それでいて憂いを帯びた歌詞、
これも彼女の天才たる所以の一つだと思います。
当時はあまりのクオリティにゴーストライターを疑われたりしたそうですが、
その後から、ずーーっと現在の曲までを鑑みて、
この独特の憂いは、当時まだ半分子供だろうが、
むしろ宇多田さんにしか出せない、とあらためて思います。
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最後のキスは タバコの flavor がした
ニガくてせつない香り
明日の今頃には あなたはどこにいるんだろう
誰を想ってるんだろう
You are always gonna be my love
いつか誰かとまた恋に落ちても
I'll remember to love , You taught me how
You are always gonna be the one
今はまだ悲しい love song
新しい歌うたえるまで
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これですよ。15歳の少女が。
冒頭から「最後のキスはタバコのflavorがした」、ですよ。
まだうら若き中学3年生や高校1年生くらいが。
「いやあー、最後のキスはタバコのflavorがしたなあー」
って15歳の時に思い返したことがありますか。
ちなみに僕はないです。
寝ても覚めてもニンテンドー64とかやってましたよ。
15歳どころか、
体感では最近までやってましたよ。
それはそれは衝撃でしょうね。
こんな子がアイドルじゃなく、いきなりシンガーソングライターとして出現したら。
尚、こちらのデビューアルバム「First Love」は、
未だに破られない日本記録のアルバムセールス、
全世界で1000万枚弱だそうです。(wikipedia参照)
是非みなさんも宇多田ヒカルさんを参考に、
「なぜか惹きつけられるリズム感」
というのを生み出せるように楽しく演奏しましょう!
本人がノリノリであるという事、これ以上に大切なテクニックなんてありません。
では、クロマチックハーモニカで頑張りました、
宇多田ヒカルさんの「First Love」です!
よろしくお願いいたします!