スティーヴン・スピルバーグに学ぶ【F.I.Hハーモニカコンテスト】の優勝の仕方!
こんにちは!
またまたブログが滞ってしまっていました。すみません。
私生活の方でいろいろと忙しいこと(良い意味で)がありまして、
ドタバタの毎日を暮らして、ようやく落ち着いたところです。
おかげさまで、とても楽しいです。
また1つ1つご報告させていただきますね。
__________________________
それはそうと、昨日、
6月9日(土)はF.I.Hハーモニカコンテストだったそうで!
日本で唯一にして最大のハーモニカの祭典、大会です。
(写真:山下伶さん)
我が徳永ハーモニカ教室(父の方のお弟子さん)からも、
僕の知る近年だけでも、
この大会の優勝+最優秀グランプリを経て、
南里沙さん、竹内海人くん、岡直弥くん、山下伶さんなどの、
現在のクロマチックハーモニカ界を席巻するプレイヤーが輩出されています。
すごい事です。
他にもたくさんの方が優勝されました。
デュオやトリオなどの部門も含めると、枚挙に暇が有りません。
今年の結果も届きましたが、
アンサンブル小編成部門で父の生徒さんのデュオが優勝!
クロマチックソロ(ジャズ、ポップス部門)では、
惜しくも優勝は逃しましたが、2位と3位が父の生徒さんでした!
本当におめでとうございます!
__________________________
僕の生徒さんでも、
ベテランのお上手な方はこのF.I.Hコンテストを目標にされていますが、
もしブログをご覧の方の中に、
この大会などのコンテスト出場、優勝を目指される方がいらっしゃれば、
ぜひ僕として2点、アドバイスさせてください。(出たこともないのに偉そうに。)
①自分でアドリブ、アレンジを行えるように勉強しましょう!
②そうでなくとも、あまりに背伸びした難易度の選曲は避けましょう!
__________________________
まず①は僕がハーモニカを始めて、コンテストを最初に観戦した3年前から、
審査員の方々が口を揃えて、総評で言われている事です。
「出来れば、ジャズ・ポップス部門では自分のアドリブを吹きましょう」と。
これがまあ「そんな簡単に言われても」とか、
「そんなん出来たらもう素人じゃないやん」という感じでもあるのですが、
とは言え、これには僕も偉そうに同意見です。
あ、勝ちたいなら、ですよ。
一般的な生徒さんが、ハーモニカを楽しんでいて、
うちの父のアレンジ曲集等をレッスンで吹かれている分には、
まったく問題ありませんし、
むしろ最高の練習になっていると思います。
あんなに良い教材は他にありません。
すごいですよ、我が父。
でもこれがコンテストの舞台になった時に、
自分は徳永アレンジの曲をそのまま練習してきて吹いて。
もし反対に、
他のライバル・出場者の方が自分のアドリブで、
その場の即興で演奏をされたとして。
客観的に見ている・聴いているお客さん、審査員目線で言えば、
そこに生まれる「ライブ感」、ひいては「音楽という楽しさ」の強度に、
「書きアドリブを上手に吹けている」というこちらの武器では、
やはり太刀打ちが出来ないのです。
(よっぽど圧巻のテクニックで吹ききらない限り)
音楽、ステージは「その瞬間に生まれ、次の瞬間に消えているモノ」なので、
この刹那的な空気、緊迫感、臨場感、
これを生み出すには「本人が楽しんで演奏をしていること」、
その為に「頑張ってある程度の理論を勉強すること」だと思います!
これがまず①つめの理由でした!
__________________________
そして②つめは、上の話とも繋がるのですが、
もし「書きアドリブで演奏する場合」でも、
「練習の時なら必死になんとか吹ける」みたいな難易度の曲は避けましょう!
この「必死さ」も聴いていて本当に伝わります。悲しきかな。
本人が「必死」では、「楽しんでいる」と真逆の空気が伝染します。
というかこの件を生徒さんと話して、よく聞かれるのが、
「書きアドリブか、自分でアドリブをしているかとか、聴いていて分かるの?」
なのですが、これはもう断言します。
審査委員の方に代わりまして、断言します。
ええ、分かります。
僕みたいなド素人で分かるのですから、
審査員の神様みたいな人たちにはバレバレです。
それはいったい何故でしょうか。
__________________________
だってですよ、とても厳しい言い方をすると、
「10くらいのレベルの音色、振る舞いの人が、
ところどころ凡ミスもしながら、
アドリブパートになった途端、あれよ、あれよ。
1000みたいなレベルの超格好良いフレーズを次々と吹きだす。」
のです。
聴いている方からすると、「そんなわけないやん」です。
リズムやグルーヴも即興の人に比べて、丸みに欠けて、
どうしても「音譜を追いかけている」感じになります。
ここにたぶん審査員の方は残念がられるのでしょうね。
「下手でも良いから、今の君ができる演奏を聴かせてよ」
と。
あ、今めっちゃ格好良いこと言いませんでしたか?僕。
巨匠みたいな横顔しながら書きましたよ。
スティーヴン・スピルバーグみたいな。
「下手でも良いから、今の君ができる演奏を聴かせてよ」
__________________________
ならば、まだアドリブは即興で出来ず、
もし書きアドリブで出場される方がいれば、
方法論として2つ。
・「1000のレベルのフレーズも余裕で吹けるテクニックを付ける」
という「うるせえ!上手けりゃ文句ないやろ!」的な、
「問答無用の圧倒的演奏で、聴く者みなぶっ飛ばす戦法」なのか。
もしくは、
・「せめて10の自分がちょっと余裕で吹ける、50や100の難易度の曲にする」
そして暖かい音色や、堂々とした演奏で感動させて、
「音楽ってテクニックが全てじゃないでしょう?戦法」などの考えにした方が、
僕ならよっぽど「その人の演奏をもう少し聴いていたい」と思います。
(かといってコンテストで、
「赤とんぼ」そのまま吹きました!素敵な音色ですよ!と言われても、
それは流石にもうちょっと難しいこと吹いてよ、とも思いますが。バランスです。)
__________________________
そして実際、結果としても、
上記の様な方々が、僕が見たここ3年は、勝ち上がっているように思います。
ここ3~4年連続で、ジャズ・ポップス優勝者はご自身のアドリブですよね。
今回の優勝の方も、お名前を拝見する限り、
数年前にも、とても格好良いアドリブ演奏で優勝をされた方ではないかと。
(たぶん)
確かそれこそ、
演奏途中に機材的なアクシデントがあったのに、
ギターの方と二人で落ち着いたアドリブで乗り切って、
審査員の大絶賛を受けていた方では、、、?
うーん別の人だったかな、、、、、。
(人違いだったら大変申し訳ありません。あの方、めっちゃ格好良かったのです。)
__________________________
と、まあ話は逸れましたが、
これらは僕自身が音楽を勉強して、初めて見方の変化したことです。
僕も最初の2回くらいは「何であの人が優勝なん?」とか、それこそ、
「書きアドリブか、自分でアドリブをしているかとか、聴いていて分かるの?」
ってまさに父に聞いたりしていました。
でもまだまだ未熟ですが、自分で勉強し始めてやっと分かりました。
「1000のレべルの書きアドリブをバーーっと吹く凄え人よりも、
10のレベルでも自分でアドリブが出来る人の方が、
さらにもうひとつ凄えんだな」
ということに。
また、
そこに至ってもらうまでがどれだけ大変なのかということに。
生徒さんを教えさせてもらっていても、すごいテクニックで、
1000の書きアドリブを吹ける人が出てきます。
本当に素晴らしい、僕なんかでは頭の上がらない練習量です。
ですが、
そこで「じゃあ次、アドリブを勉強しようか!」とレッスンを始めても、
この人に「10の自分のアドリブを吹けるようになってもらう」方が、
何倍も何倍も、時間がかかります。
1000吹けるテクニックが有ったとしても、です。
(だからこそ楽しいです!)
というわけで会場に見に行かれる皆さん、
もし今後も、
「えー、なんであの人が優勝なの?さっきの人の方がすごくない?」
と、以前の僕みたいに、膨れている隣の人がいた時には、
「いや違うよ、あの人はこういう理由で、実はめっちゃすごいんだよ」
と巨匠の笑顔で教えてあげましょうね!
__________________________
最後に。
こんな事を書いたらば、
「そんな偉そうに言うならお前が出てみろ!」
「出たこともないくせに!」
と言われそうですが。
偉そう言って、すみません。
僕の代わりに、僕の知っている人が優勝して欲しいのです。
(えー、なぜなら、
当方、大人の事情で参加させてもらえない「逆・特別枠」となっております。
かくかくしかじか)
まあそもそも、絶対とんでもなく緊張するので嫌なのですが、
いつか、しがらまなくなった時には、出たいですね!
その時には僕も自分のアドリブで、
10なのか5なのか100なのか分かりませんが、背伸びはせず、
「その瞬間に生まれる、自分の音」を届けられたらと思っています!
では!
ご出場の皆さん、お疲れ様でした!
そしてこれからの出場・優勝を目指される方、心より応援しています!