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【人間の声に近い楽器】とは!


こんにちは!

よく何がしかの楽器のことを褒める(?)際に言われる言葉で、

「人間の声に一番近い楽器」(ゆえに凄い!)

という表現をされることがあります。

その対象は時にトロンボーンだったり、クラリネットだったり、

ヴァイオリンだったり、チェロだったり、

「一番」がいっぱい居る現状です。群雄割拠。魑魅魍魎。

僕としてはクロマチックハーモニカもその内の1つだと思っているのですが、

ここで僕が物申したいのは、

「その言い方だと、人間の声が最高の楽器ってことになるよね?」

ということです。

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これ前にも書いたかもしれないですが、

例えば、

グルメレポーターさんが番組で、

魚の美味しいお店なんかに行った時に、

超高級マグロとかを食べながら一言、

「とろける~!美味しい~!お肉みたい~!」

と言ったりしますが、僕はいつも、

「ほんなら最初からお肉食えよ」

とPanasonic薄型液晶テレビに向かって強めに吐いています。毒気を。

だってこれだと、

「お肉>お魚」である力関係を前提としてしまっていて、

「君はお魚にしては頑張っているよね、お肉のレベルに肉薄しているよね」(あ、上手い)

という、斜め下の角度で賛辞を送ってしまっているわけですよ。

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これと似たような話で、父が、

クロマチックハーモニカを楽器として褒められたときに、

「おお、すごい!サックスみたいな音が鳴りますね!」

などと言われると心中複雑だと言っていました。

それだと前提が、

「サックス>クロマチックハーモニカ」

で、

「ハーモニカにしては意外にも良い音が鳴るんですね!びっくり!」

という、微量な「舐められている」がそこにあるからです。

でも僕個人としてはこの褒められ方は素直に嬉しいですけどね。

だってサックスよりクロマチックハーモニカはとても小さいわけです。

難易度としても手軽に始められるし、お値段もめちゃくちゃお安いわけです。

それなのに「サックスと同じような音が鳴る」一面があるのなら、それは、

総合得点で、

「クロマチックハーモニカ>サックス」

とも捉えられるからです。WIN!

・・と言うのは詭弁で、

そんなもん本当は勝ち負けではないし、

そもそもそんなに深く考えてもいないのですが、

クロマチックハーモニカの良さって、その、

「サイズやイメージとのギャップ、意外性」にも充分強みがあると思っています。

小さいのに凄い、って格好いいじゃないですか。単純に。

山椒は小粒でもピリリと辛い。

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なので、一面として、

「サックスと見紛う(?)かのような音」も出せるらしく、

「人間の歌声のように歌う音」も鳴らせつつ、

「人間の声では出せない音域や、音の出し方」も可能で、

「クロマチックハーモニカならではの唯一の音色」も勿論あって、

しかも「限りなくお安くて小さくて取っ付きやすい楽器」なのであれば、

それはそれはクロマチックハーモニカってすごく良い楽器ですね!

さあ、未体験の方おられましたら、レッツ、クロマチックハーモニカ!

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・・・

という宣伝はさておき、

クロマチックハーモニカを修行中の皆さんに伝えたいのは、

「どれだけ楽器を歌わせられるか」

ということです。

まずはテクニック的な意味で、

①ベンド

②ビブラート

③サブトーン

④グロー

などの奏法を駆使する、また、それを上手に習得すること。

イメージした音を、イメージした通りに鳴らす技術ですね。

でもそのイメージの為には、

「奏でる」前に、まず「聴く」ことです。

僕がレッスンで生徒さんに共通でお伝えしているのは、

歌謡曲やポップスを練習するならば、まず、

原曲の歌手の人の歌をよく聴いてね!

という点は徹底しています。

それがたとえ、

中島みゆきの「糸」でも、

サザンオールスターズの「エロティカ・セブン」でも、

石川さゆりの「天城越え」でも、

ビル・ウィザースの「Just The Two Of Us」でも。

その人・その歌の癖やノリ、雰囲気をどれだけ聴けるか、

これだけで演奏の「歌い方」が変わってきます。

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もちろん、その歌手のその歌い方が、その曲の全てではないですし、

せっかく楽器を演奏するなら、むしろ原曲を超えていきたいところですが、

世の前提である「人間の歌声は最高の楽器」であることを鵜呑みにすれば、

学べることは山ほど詰まっていると思います!歌に!

「ああ、ここ、これくらいのビブラートなんやな」

「このロックンロールな声、グロー奏法したら雰囲気出るかなあ」

「サブトーンかけたらこの演歌っぽい哀愁、出せるんちゃうか?」

「リズムがこう、なんというか、モタッと後ろに乗る感じに聴こえるなあ」

と何かしらを聴いて、何かしらを感じて。

そして何かしらが変わった皆さんの演奏が、

「人間の声」という最高の楽器を超えて、

「あなたの演奏は、歌そのものよりも、歌っているよね!」

と誰かを感動させる日と、それまでの日々も、応援しています!!

では、今回はこの辺で、以上!!

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